子宮頸癌について

今回は癌の中でも、年齢の若い女性が特にかかりやすいと言われている子宮頸癌についてです。子宮頸部とは、子宮の下部の細くなっている部分で腟まで伸びています。婦人科癌の中で3番目に多い癌で、若い女性に最もよくみられる癌となっています。主に35〜55歳の女性にみられますが、20歳前後の若い女性にみられることもあります。


■原因
子宮頸癌の主な原因は、性交時に感染するヒトパピローマウイルスです。このウイルスは尖形コンジロームの原因にもなります。多くは、感染しても自然消失していきますが、10%が残って持続感染し、その10%が異形成(正常な細胞が徐々に変化する)となり、更にその中の10〜30%が癌化します。また、初めて性交を経験した年齢が若いほど、またセックスパートナーの数が多いほど、子宮頸癌のリスクが高くなります。

子宮頸癌は子宮頸部の表面に発生する皮膚の細胞に似た扁平上皮癌です。表面下に深く浸潤していきます。子宮頸癌は腟をはじめとする近くの組織に直接広がることがあります。また、子宮頸部には多数の小血管やリンパ管が網の目のように張り巡らされているため、こうした血管やリンパ管に癌が入りこんで体の別の部位に転移することもあります。


■症状
初期の段階では無症状のことが多く、検診が重要になります。症状がすすむと不正出血がみられることがあり、月経期以外の時期に出血がみられたり、性交後に出血したり、月経が通常より重くなる場合があります。このほか悪臭のあるおりもの、骨盤部や腰の痛み、脚のむくみなどの症状がみられます。進行すると、尿路の閉塞を起こすこともあり、治療せずにいると腎不全を起こして死に至ることがあります。


■診断方法
定期的にパップスメア検査を行うことで、初期の子宮頸癌を発見できます。パップスメア検査は、まだ症状がなくても90%という確率で見つけることができます。内診で子宮頸部に腫瘍やびらん(ただれ)などの病変がみられる場合や、パップスメア検査で異常や癌が見つかった場合は、生検を行います。これらの方法で診断が確定できない場合は、子宮頸部の組織を円錐形に切除します(円錐切除)。子宮頸癌と診断されると、その正確な大きさと進行度を判定します。このためまず内診といろいろな検査を行い、癌が近くの組織や離れた部位に広がっていないかを調べます。

治るかどうかの確率は病期によって変わります。治療を行った場合、診断から5年後の生存率はステージⅠでは80〜90%ステージⅡでは50〜65%ステージⅢでは25〜35%ステージⅣでは15%以下となります。



■治療法
治療法は病期によって異なります。癌が子宮頸部の表面だけにある場合は、ループ電気メス切除法やレーザー、あるいはコールドナイフで子宮頸部の一部を切除して癌を完全に取り除くことができます。凍結療法で癌を凍らせて破壊する方法もあります。これらの方法では治療後も妊娠と出産が可能となります。癌が再発する可能性があるため、定期的に、診察とパップスメア検査を受けるようにします。

まれに子宮摘出が必要な場合があります。癌が骨盤内に広がりはじめている場合には、子宮に加えて周辺組織、靭帯、リンパ節を摘出する必要があります。卵巣も摘出することがあります。ただし、若い女性で卵巣が正常に機能している場合には摘出せずに、放射線療法を行うことがあります。放射線療法では、照射直後には副作用がないか、あってもごく僅かですが、膀胱(ぼうこう)や直腸への刺激が生じることがあります。その結果、後になって腸が閉塞したり、膀胱や直腸がダメージを受けることがあります。通常は、卵巣の機能も停止します。

子宮頸癌患者の約85〜90%は広汎子宮全摘出術や放射線療法により治癒します。癌が骨盤内に広がっていたり他の臓器にまで及んでいる場合の治療方法としては、放射線療法が適しています。しかし、こうした患者の約40%では治療の効果が得られません。癌が広範囲に広がっている場合や再発した場合には、化学療法を行うこともあります。通常はシスプラチンとイホスファミドが用いられます。しかし、化学療法によって癌の縮小や転移の抑制といった効果が得られる人は25〜30%に過ぎず、これらの効果も多くの場合は一時的なものとなっています。

コメント


認証コード6180

コメントは管理者の承認後に表示されます。